七月の暑い夏の日、余命幾ばくもない主人から、生前にお墓を作りたいとの提案があり、聖地公園に墓地はありましたので、下見がてらに帰省していた息子夫婦とふらっと出かけていきました。
よそ様の墓地や、やたべ石材店さんの外の展示物等を真剣に見つめる主人に、齋藤さんと野澤さんが外まで出てきて下さり、店内を案内して下さいました。野澤さんが入れてくれた冷たい麦茶が、疲れていた主人の喉と私達の喉をうるおしてくれました。
店内の展示物に主人の目が止まり、きれいな赤茶っぽい色の石に釘付けになりました。お二人の対応の良さがとても印象に残りながら、後にしました。再度お訪ねしたのは、またまた暑い八月の中半でした。息子夫婦の帰省しているうちに決めておきたいと、本人は勿論のこと、息子夫婦もやたべ石材店さんの齋藤さんにお世話になることを決めていたので、早くも設計の打合せをさせていただきました。
食道癌で声を失っている主人に丁寧に対応して下さり、着工をしていただきました。何度か電話での連絡と、時折り病院付添いの合間にお店を訪ねる私に、主人の体調は勿論のこと、私の体調をとても気にかけて下さるお二人でした。お二人にはいつも心安らぐ時を過ごさせていただきながら病院に伺っていました。
主人の体調を考えながら、できるだけ早くの完成につとめて下さいました。なぜなら息子は完成したお墓を見てもらいたいと願っていましたから…。しかし願いは叶うことはできませんでした。二度とやたべ石材店さんを訪ねることができませんでした。仏壇の事やらご本尊様の事やら、何も分からない私達に親切丁寧に相談にのって下さったこと、齋藤さんとしんえい堂の西村さん達に深く感謝申し上げます。
お陰様で、無事四十九日を前に納骨を済ませることができました。やたべ石材店様の絆と家族の絆が一緒になった、素晴らしいお墓と仏壇ができたことに、天国の主人もきっと満足していることと思います。本当にありがとうございました。